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本館周辺は歴史的にみて政治・経済上重要であるとともに、武家文化が華開いた地域であるという特色を持ちます。時代の流れを常に敏感に受け取り、それに対応した在地勢力の関連史跡が多く存在するという点は、私たちに実に多くの興味・関心を与えてくれます。経済を重視した信長も積極的に在地との接触を試みましたが、この際、塩川氏をはじめとする(主として清和源氏の流れをくむ)在地勢力との結び付きはさらに強まったとみてよいでしょう。この事実は川西周辺の歴史を考える上で重要であり、中世から近世にかけての複雑な歴史像を解明する材料を含んでいます。特に、安土城といった近世城郭の先駆的な城を築いた信長の先進的な気風は、この地域にも少なからず影響を与え、在地勢力の動向を左右したものと思われます。
城郭は単に軍事的な要害というだけでなく、周辺の経済圏をおさえ、時として政庁的な性格を持ち合わせていた場合がみられます(例えば波多野氏の八上城など)。建築過程においては当時の最高の技術を導入するなど、大きな努力が払われ、それは武家文化のみならず日本文化を理解する上で多くの材料を提供してくれます。
こうした点を勘案し、本館施設は歴史・文化的見地から当該期における日本文化の集大成的な性格を持つ城郭を構想しました。設計にあたっては、特に近世城郭の嚆矢であり現代建築の源泉的な存在という性格を含んだ安土城に注目し、その構造や思想を参考としています。
本館が、日本文化に対する理解をより深める場として、さらに北摂地域の文化発信拠点として、新しい文化活動の発展に貢献できるように努力していきたいと思います。
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